新生活に備えてパソコンを買う(その1)

春からの新生活に備えて、大学入学を控えている方、新社会人になる方は、パソコンを購入する方も多いと思います。
スマートフォン全盛時代とは言え、大学生活や社会人になると、どうしてもパソコンが必要なことも多くなってきます。
しかし、パソコン選びは本当に難しいものの一つです。店員さんに勧められたものを買って失敗した…なんてことも多く聞きます。

秋葉原でパソコン販売スタッフを長くしてきた自分が、新生活にぴったりなパソコンをチョイスしてみます。

注意ポイント

1.パソコンで何をしたいかを明確にする

パソコンは何でもできる魔法の機械。Officeファイルの編集やネット・メールはできて当たり前です。+αでしたいことがあるか?というのをはっきりと。

2.メーカーダイレクトショップを狙う

ビックカメラヨドバシカメラといった量販店で買おうとしてませんか?
今の時期はパソコンを購入したい人がたくさん来店するため、店頭スタッフの質が大きく下がります。短期アルバイトや回線勧誘といった形態の店員も多くなります。彼らは商品知識をあまり持っていません。
さらに言えば、量販店の店員にとっては「売りたい機種」というものもあります。それがいいもの、とも限りません。
メーカーダイレクトショップで購入すれば、自分に必要なスペックを組み合わせて、市場より安い価格で購入できます。余計なソフトが少ないのもいいですね。

3.メーカーで選ぶより、中身で選ぶ

パソコンに使われている主要な部品は、どこのメーカーを選んでも変わりません。東芝製だから、NECだから、というのはあまり重要視しないこと。

想定外の出費に注意

パソコンを購入して終わり?ではなかったりするのが悩みどころ。あれが欲しい、これが欲しい、なんてことにならないか気をつけましょう。
モバイルルーターが必要になったり、Officeソフトが必要になったり。LANケーブルやUSBハブなども、意外と必要になったりしますね。
大学で使うときに意外と必要になるのが、プロジェクターと接続するアナログ変換ケーブルなど。

何を選ぶ?

カタチを決めよう

パソコンには大きくわけて、分離型デスクトップ、モバイルノート、据え置きノート、一体型デスクトップ、と種類があります。自分の生活に一番適したものを選ぶことが大切です。

持ち歩くなら「モバイルノート」

持ち歩くならモバイルノートを選びましょう。ノートパソコンが欲しいという方が殆どだと思いますが、持ち歩くことを前提としていないノートパソコンもそれなりにあります。
重量が重くバッテリーの保ちもよくないノートパソコンを選んでしまうと、絶対に使わなくなります。
「2kgですから少し重たいですけど、持ち運べないこともないですから…」というセールストークに注意。2kgってどのぐらいか想像がつきますか?大きいペットボトルと同じです。
そういうノートパソコンは大体バッテリーの保ちもよくありませんから、ACアダプタも別に持って行かなくてはいけません。本当に毎日それを持って出掛けることができますか?

家でしか使わないなら「分離型デスクトップ」

逆に家でしか使わないなら、分離型デスクトップを選びましょう。昔からある、モニタと本体が別になったものです。
今時古くさい…と思われるでしょうが、スペックが一番高いのは、このカテゴリーです。もし将来やりたいことが増えても、パーツの増設で柔軟に対応できることが強みです。
故障した場合も、修理代が安かったり、自分で直すこともできます。
パソコンでよくあるトラブルとして、キーボードに飲み物をこぼした場合、ということがよくあります。分離型デスクトップなら、キーボードだけ交換すればいいのです。

消去法的理由で選ぶ「一体型デスクトップ」と「据え置きノート」

この二つを選ぶ理由は、どうしてもそれが欲しいとか、値段的にこれしかなかった、と言ったような消極的理由しかありません。これらを買うメリットがまったく見当たらないのです。
一体型デスクトップは、モニターと本体が一緒になっているパソコンです。メリットはまったくありません。
性能はデスクトップだから高性能と言ったことはありません。薄型にするために、ノートパソコンに使われているパーツを使っていることがほとんどです。
壊れた際に修理費用が高くなってしまうのもデメリット。専用部品が多く使われているため、必然的にメーカーでの修理となってしまうことが多く、将来的に部品が供給されるかも不安です。
据え置きノートは、モバイルノートに比べて高性能であることが多く、また同じ性能ならより安く購入することができます。海外メーカーの格安ノートパソコンなんかは、ここのカテゴリに入ることが多いです。
使わないときに机の上から片付けられることができるのは、大きなメリットですね。
あと、高級ゲーミングノートから、格安ノートパソコンまで、選ぶことができる範囲が広いことも、特徴の一つです。

後から交換できないパーツはどれ?優先度を決めよう

分離型デスクトップの場合はあまり関係ないのですが、後々増設や交換でのアップグレードが困難なパーツは、高い優先度で選んでいきましょう。

ディスプレイは最低限フルハイビジョン

意外とみなさん、ここを重要視していないんですが…高解像度のディスプレイは、作業効率を大きくアップさせます。
ExcelのシートやWebなどはかなり広い範囲を見渡すことができますし、Webを参照しながらExcelにデータを入力する、Youtubeやニコニコを見ながらWeb閲覧をする、なんてこともできますしね。
ディスプレイは後から変更することが難しいパーツの割に、作業効率が大きく変わるパーツですから、まずはここから固定していきましょう。
今話題の4Kや2Kのディスプレイは現状選ぶ必要がありません。対応するソフトやコンテンツが充実しておらず、グラフィック性能も必要とされます。
内蔵グラフィックスに高解像度ディスプレイの組み合わせは、正直性能的に厳しいのです。

CPUは本当に重要なの?

「このパソコンはCPUがCore™i7だから高性能です!」を信じ切っていませんか?
同じCore™i7でも、様々な種類が存在します。コア数やクロックが違えば、性能は大きく違ってきますので、十分に注意しましょう。
もちろん性能が高いCPUを選ぶ利点というのは大きいのですが、ブランドネームで決めることはせず、コア数とクロックで選ぶことが大切です。
物理的なコア数と論理的なコア数が違うことも把握しておきましょう。intel製CPUの多くは「HyperThreading(ハイパースレッディング)」という技術を用いて、Windows上からは倍のコアが見えるようになっています。
仮想的にコアが二つになったから、2倍の性能が得られるなんてことはありません。せいぜい30%程度の能力向上と言われています。
2コア4スレッドと4コア4スレッドを比較すれば、後者の方がもちろん性能はよくなります。
一般家庭で普通に使う分には、Core™i7なんてまったく必要ありません。ゲームや動画・画像編集をするときには大きく影響してきますが。。。

選ぶならSSD搭載モデルを

ハードディスク、SSD(ソリッドステートドライブ)、ハイブリッドドライブと言ったように、多くの選択肢があります。のちのち交換することも可能ですが、保証がなくなってしまうことに加えて、多くの労力をさかなければいけません。
ストレージ選びは非常に重要です。パソコンの電源を入れるとき、アプリケーションの起動速度などが大きく違ってきます。必要なときにさっと使えるのが、一番いいですよね。
おすすめはSSDモデルです。容量も少なく価格も高いのですが、速度はハードディスクに比べて段違いに高速です。物理的に回転する部品がないので、衝撃に強いのも特徴です。
容量の問題は、外付けのハードディスクやクラウドストレージで補うことができます。
SSDとハードディスクで、どれぐらい起動時間に差がでてくるかを比較した動画です。
ThinkPad X220のHDDモデルとSSDモデルの比較 - YouTube
また、文書や写真といったデータとWindowsシステムを別々のドライブに置くことをおすすめします。Windosシステムが破損してパソコンが起動できなくなっても、別のドライブにデータを置いておけば、他のパソコンから簡単にデータを復旧できます。

キーボードやタッチパッドの使い勝手は?

もちろん重要なポイントです。打ちにくいキーボードや使いにくいポインティングデバイスは、作業効率を悪化させます。
ですが、後から簡単に増設できることを頭に置いておきましょう。気に入らなければ、外付けで増設すればいいのです。外で使う頻度が多いのなら別ですが、外出先で長文を書く機会というのは、どれだけあるのでしょう。

まずは自分が欲しいパソコンを明確に決めましょう

パソコン選びのコツ。自分が欲しいものはどのようなパソコンなのか、事前に確認をしておきましょう。
パソコンの使い方は人それぞれ。何でもできる機械ですから、人によって最適なパソコンが異なるのは当然のことです。
今パソコンで何がやりたい?将来的に何をする予定がある?そこをまず明確にしておきましょう。