V570というカメラ
割と使わないデジタルガジェットはじゃんぱらとかに売りさばいてしまう人間ですが。なかなか捨てられない物もあるのは、確か。
2006年発売のカメラなので、彼とはかれこれ10年近いお付き合いになる。
Kodak EasyShare V570デュアルレンズデジタルカメラ
当時のデジカメは、広角側を苦手とするものが多かった。
普通のコンデジは28mmであれば「広く撮れる」と言われた時代。
コンデジで広角という目的に対してKodakが取った手法は、想像のつかないような力業だった。
「レンズを二つ載っけてしまえ」
見ての通り、電源を入れてレンズバリアが開くと、一目でわかる彼の特徴。
えいやで、23mmの広角単焦点と39-117mmの望遠側を載っけてしまった。
光学系は完全に別の物となる。レンズも二組、センサも二組。
一応はシームレスにつながって、擬似的に23mm-117mmのズームレンズとして使うことができる。
23mm-39mmの間は、23mm側の画像をデジタルズームする形。
もちろんデジタルズームはOFFにすることができる。
その場合は、23mmから望遠側を押すと、カクンと画角が39mm側に切り替わる。
このカメラの性能を語るのは、野暮な気がする。
1/2.5型CCD、500万画素。記録媒体はSDカード(2GBまで)。
2006年当時としては、まぁそこそこの性能だった気がする。
当時の価格は59800円だったか。ヨドバシakibaで購入した。
天気の良い日は、V570を持ち出そう。
心に響く青空を、彼は映し出す。
冬の誰も居ない海辺に、彼と二人で出掛ける。
夜はからっきしダメなのである。
持ちづらいボディなので、暗いところではしっかり持たないと盛大にブレる。
まともな夜景を撮りたいのなら、三脚や一脚が必須だろう。
よくわからぬ芸術的な絵が記録されることになる。
本当にダメな子なのである。
電源を切ると撮影条件を忘れてしまう。最初から設定しなおし。
フラッシュのON/OFFですら、彼は忘れてしまう。
屋内で写真を撮るときは、電源を入れっぱなしにしよう。
あまり保たないバッテリーとの闘いになってしまうが。
AFは非常に遅い。そしてバカである。
尤も、彼は23mmレンズのためにある。23mm側は幸いにもパンフォーカス。
ピントがあっているんだか、あっていないんだか、よくわからない写真が撮れる。
バッテリは保たない。公称は160枚となっているが、普通の使い方では100枚程度が限度か。予備バッテリは必須。幸いPSPと同じACアダプタで充電できる。
写り?あぁ、。。って感じ。
他にも、メニューやボタンが扱い辛かったり、高速タイプのSDカードを使わないと、動画撮影ができなかったり、SDのフタがビロンビロンに緩くなってしまったり。
でも、それを補って余りある魅力を、彼は持っている。
2015年となった今、24mmぐらいの広角側を持つコンデジはそれなりにある。
写りを比較…するまでもない。大敗である。
自分自身も、普段のスナップにはSONYのWX300を使っている。
そうなった今でも、彼を大事に使っているのは。
自らが動き回って、風景を切り取ることの楽しさを、彼が教えてくれたから。
そんな気がする。
おしまい。